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政府、骨太方針案を示す/【問】国の財政活動には国会での議決が必要であるという考え方を何と言う?

ニュース概要

www.sankei.com

政府は2日開いた経済財政諮問会議で、経済財政運営の指針「骨太方針」案を示した。全世代への教育拡充など「人材投資」を柱に据え、保育所や幼稚園の費用を早期に無償化する方針を明記した。財政健全化は、基礎的財政収支を平成32年度までに黒字化する目標を維持した上で、国内総生産(GDP)に対する債務残高比率を安定的に引き下げる目標を併記し、より重視する姿勢を示した。骨太方針は与党との調整を経て、9日にも閣議決定する。

経済財政諮問会議とは

経済財政政策に民間の有識者の意見を取り入れるため、2001年1月に発足しました。

議長は内閣総理大臣が務めます。

話し合う内容は、経済全般の運営の基本方針、財政運営の方針、予算編成の基本方針などです。

つまり、これから経済をどういう方向性で良くするのか、歳入をどのように使っていくのかについて大まかに決める会議です。

 骨太の方針って?

経済財政に関する基本方針のことを、通称「骨太の方針」といいます。

自民党政権下では政府が毎年発表しています。

民主党が政権を握っていた平成22~24年は中断していました。

6~7月に閣議決定され、策定されます。

今回のポイント

財政を健全化していくための指標として、国内総生産(GDP)に対する債務残高比率を重視する方針を盛り込んだのが、これまでと異なる点です。

この比率を徐々に減らしていこう、というのが新しい政府の方向性です。

減らすためには、分母のGDPを増やすのが一つの手段です。

GDPを増やして経済を成長させるのに有効なのは、財政出動です。

つまり、歳出を増やして景気を上向かせ、この比率を減らしていこう、という考え方です。

基礎的財政収支の改善はどうなった?

基礎的財政収支プライマリーバランス、PB)とは、簡単に言えば1年間の歳入と歳出の差のことです。

近年は歳入よりも歳出が上回り、赤字の状態が続いているため、政府は平成32年度に黒字化する目標をこれまで通り骨太方針案に示しました。

PBは、無理やりにでも歳出をカットすれば、黒字化することは可能です。

つまり、緊縮財政を徹底的に進める、ということです。

ですが、このように政府が全然お金を使わなければ、経済はガタガタになってしまいます。

今はデフレであり、民間企業があまりお金を使わない傾向にあるため、その代わりに政府が歳出を増やして経済を成長の軌道に乗せ、デフレから脱却する必要があるのです。

GDPに対する債務比率とPB改善の両立はできるの?

支出が増えてもそれ以上にGDPが拡大すれば、増税しなくても自然に税収が増え、PBの赤字額が減っていきます。

問題は、どこにお金をかけて経済を成長させていくかです。

今回の骨太方針案では、人材投資や幼稚園の無償化を進めるとしました。

経済成長をもたらす分野がどこで、何にお金をかけるべきなのか、今後さらに議論を深めていく必要があります。

【問】の答え

【答】財政民主主義

国が支出や課税を行うには、国会で承認されなければなりません。

日本国憲法第83条に記されています。

今回は経済財政諮問会議骨太の方針「案」が示されたにすぎません。

今後、全員の閣僚が合意し政府方針を決定する「閣議決定」を経て、予算案が組む作業に入ります。

予算案ができたらまた閣議決定し、国会に提出します。

国会で議決されれば、財政民主主義に基づいた手続きが完了し、ようやく予算が執行されるのです。