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退位特例法成立/【問】天皇を主権者とした1889年制定の憲法を何と言う?

ニュース概要

www.sankei.com

天皇陛下の譲位を可能にする特例法が9日午前の参院本会議で可決、成立した。譲位は江戸時代後期の光格天皇以来、約200年ぶりとなる。特例法の施行日に譲位し、施行日は公布から3年を超えない範囲で皇室会議の意見を聴いて決めるとしており、今後政府による検討が本格化する。

なぜ退位が認められるようになったの?

天皇陛下が2016年8月に、退位のご意向をにじませたビデオメッセージを公表したことをきっかけに、退位に向けた法整備が始まりました。

メッセージでは、

「高齢による体力の低下を覚えるようになった頃から、これから先、従来のように重い務めを果たすことが困難になった場合、どのように身を処していくことが、国にとり、国民にとり、また、私のあとを歩む皇族にとり良いことであるかにつき、考えるようになりました」

と述べられたうえで、

「次第に進む身体の衰えを考慮する時、これまでのように、全身全霊をもって象徴の務めを果たしていくことが、難しくなるのではないかと案じています」

と将来をご案じする内容を国民に向けて発信されました。

これまでの制度

皇室典範では、退位は制度化されておらず、天皇が亡くなったときに限り、新しい天皇が即位すると定められています。

退位制度化の議論も明治時代にありましたが、過去の院生による混乱、上皇天皇の二重権力の弊害などの理由から、見送られてきました。

「一代限り」にした訳

特例法をめぐる今回の議論では、退位が現天皇陛下の「一代限り」か、全ての天皇が対象の「恒久制度化」かが論点になりました。

結果的に、退位の早期実現を目的に、政府は「一代限り」の特例法にこだわりました。

これは、恒久化には皇室典範の抜本改正が必要だからです。

改正には、「女性宮家」創設など皇位継承の安定化策という難題が関係してきます。

この問題を議論し始めたら、なかなか話がまとまりません。

天皇お気持ち、つまり将来への懸念をなるべく早期に払しょくするため、こうした問題にはあえて踏み込みませんでした。

今後の流れ 

2018年12月に天皇陛下の退位と皇太子さまの即位を政府は検討しています。

「昭和」「平成」などの元号が切り替わる「改元」は19年1月1日が有力とされています。

退位日と新元号の発表は早くて18年夏とされています。
一方で、退位を19年3月末、改元を4月1日にする案もあります。

ただ、国民生活への影響を考えると、より影響の程度が小さい1月1日の改元の方がふさわしいとする声が多くあります。

退位後の天皇陛下の呼び名は「上皇」になります。

上皇になると、現在住まわれている皇居・御所から、皇太子ご一家の住まいの東宮御所赤坂御用地)に移る予定です。

【問】の答え

【答】大日本帝国憲法

君主によって制定された憲法、すなわち「欽定憲法」です。

これに対し1946年、国民主権に基づいて国民投票や議会を経て定める「民定憲法」の日本国憲法が制定されました。

主権者を国民としたのが大きな違いです。

天皇は主権者から国の「象徴」となりました。